「アニメ×ファッション」の新しい潮流を紹介する連載第2回は、セレクトショップとしても名高いBEAMSを訪ねます。ここで展開する様々なファッションブランドの一つ「BEAMS T」は、その名が示す通りのTシャツ専門のレーベルですが、最近は『新世紀エヴァンゲリオン』を題材にした「Evangelion×BEAMS T」コラボTシャツが大変な人気商品であると聞きます。
90年代を代表するTVアニメの傑作が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
として甦り、大ヒットを記録したのは昨年夏のことですが、BEAMS Tはそうしたブームに対して一過性の企画ではなく、ブランドカラーを全面展開する本気の新作をリリースしています。BEAMS Tのスタッフは、それほどの魅力を『エヴァ』というアニメのどこに感じているのでしょうか。
というわけで、今回はBEAMS Tレーベルを代表するグラフィックデザイナーの広岡毅さんと、BEAMS Tディレクターの入江和宏さんに、「EVA×BEAMS T」コラボTの裏側を伺ってきました!
★広岡さんが普段手がけられているお仕事のことを教えてください。
広岡(デザイナーとして)できることは全部やってますね(笑)。まずBEAMSさんでTシャツのデザイン。ほかにロゴデザイン、雑誌の誌面レイアウト、Webページのデザイン、MTVなど番組のオープニングやエンディング。パッケージデザインだけじゃなく、PVを作ってみたりですとか……。
来た仕事は、うちで可能なものであれば引き受けてる形ですね。デザイン全般を幅広くやらせていただいています。
★BEAMS Tから『エヴァ』Tシャツをリリースすることになった経緯をお聞かせください。
入江ここ数年、『(交響詩篇)エウレカセブン』
などの実績もあって、いくつかのアニメスタジオの方からお話をいただくことが増えまして、その中の一つの案件としてお仕事させていただきました。
最初は、一昨年です。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』公開のちょうど1年前ですね。(TVシリーズの)DVD-BOX発売のタイミングに合わせてTシャツをリリースしました。現在出ているのは第3弾になります。
★広岡さんがデザインを担当することになった経緯をお聞かせください。
広岡BEAMSさんで前々からTシャツをデザインさせていただいてまして、その流れで依頼がきました。アニメやゲーム、マンガなどを僕自身が好きなのをご存知だったようで、「『エヴァンゲリオン』のTシャツやりませんか?」とお誘いいただきました。もちろん「やります!」と即答しました(笑)。
入江アニメやマンガのTシャツをリリースする機会が増えているんですけど、そのままデザインしてしまうと、うっかりおみやげのTシャツと同じになってしまうんです。そういう物には仕上げたくないというのが念頭にありました。
それらと差別化を図るには、アーティストの方に入っていただくのがベストだろうなと。そして、やはりそういった作品が好きな方にお願いするのが最善だろうと考えました。『エヴァンゲリオン』に関しては、広岡さんが適任だと思いまして、お願いするに至りました。
★『エヴァ』Tシャツのデザインを手がけることになった時、最初に抱かれた印象などをお聞かせください。
広岡アニメーションってやっぱり、作品として「在る」じゃないですか。基本的にとても強いんですよね、それ自体が。ただ、単純に作品内に出てくるもの――要は“ネタ”みたいなものをそのままTシャツに落とし込んでしまっても、あまり面白味がない。
特に『エヴァ』に関してはやり尽くされている感じもあるので、「どうしようかな」と正直悩みました。
Tシャツはアイテム自体ではなく、着る人が主役じゃないですか。アニメーションのキャラクターなりモチーフをそのままTシャツに持ってきてしまうと、それ自体が着ている人を喰っちゃうんですよね。つまり、Tシャツに「着られている」という雰囲気になってしまう。そうなると、Tシャツとしては良くない。そこに何かしらワンクッションを加えて、アパレルというか、「ファッションとして成り立つ」という着地点を見つけなきゃいけないな、というのを考えました。
★使用するモチーフなどは、ご自身で選ばれたんでしょうか。また、権利元に対して好きにデザインできるような状況だったのかもお聞かせください。
広岡GAINAXさんからの指示みたいなものは特になかったですね。資料も先方の担当にいただいた物があったんですけど、それだと限られてくるので結局、個人で集め直してデザインしました。
こちらでデザインを提案してから、GAINAXさんにチェックしていただいて、「これはOKなのか?」と模索しながら進めた感じですね。
入江結構、割と何でもOKでしたよ。好きにデザインさせていただきました。
広岡こちらで描き起こしたり、デザインする分には問題なかったみたいですね。
★デザインのコンセプトなどがありましたら、お聞かせください。
広岡とにかく『エヴァ』という作品(の存在感)が強すぎるじゃないですか。完成されたものは、どうにもできない。先ほども言いましたが、『エヴァ』そのものを服に載っけようとすると、どうしてもネタ的になってしまうので、考えてたのは「見ていた人の反応」ですね。
例えば、「人類補完計画」みたいな設定を一度、現実の世界に持ってきて、それを見た人のリアクションを通したイメージで作ろうとか。
要は「『エヴァ』を見た人のリアクションをTシャツに落とし込む」という感じでデザインしてみたんです。Tシャツ1点1点で、そうしたことをコンセプトとして考えました。
★そのコンセプトだと一筋縄ではいきませんし、制作に結構な時間がかかったんじゃないですか。
広岡アイデアが思いつくまでは、なかなか出来上がりませんね。
入江でも、広岡さんは早いですよ。打ち合わせの次の日に、送ってきてくれる時もあるんです。
広岡イメージさえ思いつけば作業は早いので、すぐにできるんです。もちろん思いつけば、ですよ(笑)。
『エヴァ』に関しては元々作品を見て、一時期結構ハマったりもしていたので、お話をいただいた時点である程度のデザインイメージがあったんです。だから、時間的には「思いつくかどうか」、その一点に尽きますね。
★『エヴァ』は、コラボTに関わる以前からよくご存知だったんですね。
広岡初回放送の時は、1回だけ見たことがあったんです。何話だったかはちょっと憶えていないんですが、テレビをつけたらたまたま流れてました。
でも、基本的に最初の第1話から見ないと気が済まないタチなんで、途中の回だけ見てもその続きを見ようとは思わなかったんですね。
そうこうしてるうちに、劇場版公開前の深夜に毎晩3話ずつとかまとまった再放送があったんです。それで見事にハマっちゃって(笑)。しかも、それに加えて(劇場版の)TVCMとかも凄くカッコいいわけじゃないですか。もうすべてが圧倒的というか。
おかげで当時はもう、そのことしか考えられないんですよ。「人類補完計画って何なんだ?」とか、ずっとそればかり考えて、他のことが手につかない。だから、リアルタイムで毎週見ていた人とか、どんな感じだったんだろうって思いましたね。
★好きなキャラクターやメカなどはありますか。
広岡『エヴァ』の好きなところは、キャラクター云々というよりも作品が持つ「空気」、ですかね。ありえない世界なのに、空気感がリアルなんですよね。電車の駅であったりとか、夏の空だったり、そのバックに聴こえる蝉の声だったり……。
アニメって大抵、空想上の話であって、その上にリアリティを求めるじゃないですか。僕はそんなに熱心にアニメを見ているほうではないですけど、「アニメとは世界設定で、リアリティを与えていくものだ」というイメージがあったんです。でも、『エヴァ』に関して言えば、それとは別に空気感がリアルなんですよね。絵空事ではない空気感が漂っている。
ちなみに、『エヴァ』の機体のカラーリングも好きです。形で言えば、量産機のデザインとか。あと、JA(ジェット・アローン)のフォルムも好きですね。
Evangelion × BEAMS T [第3弾]
Blood Rain [WHITE/RED]
降り注ぐ血の雨の中に浮かぶ初号機のシルエットがボディのフロントにプリントされたTシャツは、圧巻です。
各\5,040(税込)
販売中
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0:00:00 [WHITE]
エヴァンゲリオンの活動限界をデジタル表示したフロントに、ケーブルをさり気なくサイドに配置。静寂の中にドラマを感じる秀逸なプリントに注目です。
\5,040(税込)
販売中
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Ayanami [BLACK]
敢えて表情などを一切出さず、シルエットのみで綾波レイのイメージを最大限に表現したデザインは、神秘性ある1枚に。
\5,040(税込)
販売中
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Glow in the dark
[CHARCOAL GREY/PURPLE]
暗い場所で仄かに光る、蓄光プリントで表現された初号機の蛍光部分がインパクト大。新劇場版になり、カラーリングの変わった点も要チェック。
各\5,040(税込)
販売中
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Night of Yashima [BLACK]
一見して『エヴァンゲリオン』であることを感じさせず、ボディ全面に輝く夜空を配置。それでいてヤシマ作戦の夜を表現する幻想的な1枚。
\6,090(税込)
販売中
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©GAINAX・カラー/Project Eva
※販売状況は2008年8月11日現在のものです。品切れの際はご容赦ください。