藤木義勝のMake my day!

第17回 春を徒然に

至極私事になるのだが、ウチの西側の窓に這わせているフジのつるが蕾をつけた。
四年目にして初の出来事である。
夏場は繁った葉がちょうどいい具合に日除けになって重宝するのだが、せっかくのフジ、生えたからには花咲く姿も見てみたくなるのが人情。
ただ(咲けと)祈るだけではと、昨年半信半疑で試みた剪定が功を奏したワケである。
現在は薄紫の花が満開中。
窓の外で春風に揺れている。
併せて今年は庭のハナズオウも全開で開花。濃いビンクの花が眩しい。
フジもハナズオウも豆科の植物。
マメに生きればいつか花咲くこともある。見習うべきは大自然の生命力かな。

春の風は眠っていたカメも呼び起こす。
縁側で飼っている三匹のミドリガメが今年も水槽を叩きだした。
二匹とはかれこれ10年の付き合い。場末のゲームセンターでクレーンゲームの景品だったという少々暗い過去を持つ。越冬のアカをタワシでこすってやると、首を曲げて噛み付く仕草。相変わらずの恩知らずぶりである。
成長につれてエサの量も水換えの頻度も増える一方だが、飛行ポーズよろしく石の上で甲羅を干す姿に癒され(騙され)続けて早幾年月といった具合か。
今一匹は、移転のため取り壊されることになった保育園からやって来た。二年の付き合いになる。
二匹も三匹も同じと引き取ったのだが、先輩を見習わないで素直に育ってくれることを願うばかりだ。

ところで、先日「クライムハンター コンプリートDVD」のリリースを記念したトークイベントが行われたので、そのときのことを少し。
ゲストは大川俊道監督と前回こちらでもインタビューに応えて頂いた納富貴久男氏。
Vシネマの黎明期を支えた両氏による充実した内容のトークは同時にインターネットでも配信され、多くのファンが感慨深いひと時を共有した。
18年前、私はこの作品の撮影現場(『クライムハンター3 皆殺しの銃弾』)にお邪魔する機会に恵まれた。無名の一俳優である私に話しかけてくれた世良公則氏に感動したのだが、その際伺った話の中に印象深い言葉がある。

「俺たちがいなくなっても誰も悲しまない。だから遊んでやるんだよ。でも本気で遊ばなきゃ駄目だ。死ぬ気で遊ぶんだよ」

気概ある言葉だと思った。やがて完成した作品を擦り切れるほど観たのはいうまでも無い。
そんなことを思い出しながら会場の片隅でトークに聞き入っていた私だったが、劇用銃を使用した発砲のデモンストレーションというカタチで、思わぬ参加をすることに。
借用したホルスターは、劇中で世良さんが着用した物と同型。手にはベレッタM92F。
そして合図の掛け声は大川監督。
“その気”にならないワケがない。
このような春の珍事は大歓迎である。貴重な機会を与えてもらったことに感謝。

春とはサプライズな何か、新しい何かに出会える季節でもあるのではないだろうか。
そんな気にさせる季節をもう少し楽しもう。

(2008/04/25)


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