とたんに、僕の鼻がするすると伸びて、床にカツン、とぶつかった。反動で僕の頭は後ろ側にのけぞった。
「いててて!」
忘れてたんだ。嘘をつくと、僕の鼻は伸びてしまうのさ。なんてこった。久しぶりに眠りからさめて、最初にしたことが、嘘をついて鼻を伸ばすことだなんて。情けない。僕は痛いというより、恥ずかしさでついカッとなり、跳ね起きて目を開けた。
「なんだよ、急に起こすなよ! うっかり嘘をついちゃったじゃないか!」
ああ、しまった。眠りから覚めて二番目にしたことは、自分の悪さを人のせいにすることだった。なんでも人のせいにしちゃいけないって、いつもお爺さんに教わってたのに。いや、良い子になるのを諦めちゃあダメだ。こういう時は、すぐに謝るのさ。
「ごめん、今のは違うんだ」
目を閉じたまま、首を横に振った。良い子になりたかっただけなのに、馬鹿なことをしたもんだ。僕の鼻が、こんどは柱にひっかかって、ぽっきり折れてしまった。
「いててててててて!」
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL