「とんでもない、ピノキオ。突然起こしてしまってごめんなさい」
女の子のゼペットは、僕を起こした時と同じ、弱よわしい、おどおどしたような声で言った。まだ声が震えてるみたいだ。ってことは、これが彼女の地声なのか。別におそるおそる声をかけてたわけじゃないのか。
「起こしてしまってごめんなさい。あなたが、ピノキオね。不思議。どうやって動いてるの」
「さあ。そんなの、僕にもわかんないよ」
ゼペットは、細っこくて、背が高くて、鼻がとんがってて、メガネをかけてて、肌の色が白くて、瞳が青くて、髪は短い金髪で、つまり、なんだか、ゼペット爺さんに似ていた。だけど女の子だし、年齢は、僕が通ってた学校のとなりの女学校のお姉さんくらいの感じだ。変な服を着ている。工場のおじさんがよく着ている作業服に似ているけれど、上から下までぴったりしていて、灰色でつやつやなんだ。きっと、イルカかなにか、僕の知らない動物の皮で作られているんだろう。
僕は彼女をじろじろ見たけれど、彼女は、もっとじろじろと、僕を見ていた。
「動力源は何? モーターで動いているの?」
「なんのこと?」
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