僕は、目の前が真っ白になって、しりもちをついてしまった。なんだ、この鳥! 変なことをしてくるぞ。危ないぞ。こんな鳥がいるならいると、ゼペットは、僕に教えてくれればよかったのに! 何にも言わずに外に連れ出すなんて、ひどい女の子だな。目の前が真っ白になりながら、僕はそう思った。そう思ったとたん、僕の体が、ふわりと浮き上がった。顔をごしごしこすって、僕はようやく目が見えた。驚いた。僕がふわりと浮いたのは、ゼペットが、僕を抱きかかえて走り出したからだったんだ。
「ピノキオ! しっかり! 壊れないで!」
走りながら、ゼペットはそう言った。僕を守って走ってくれてるんだとわかった。しまった、ひどい女の子だなんて思ってしまってごめんよ。僕はふわりふわりと揺さぶられながら心の中でお詫びした。僕を抱えて走るゼペットの肩越しに、後ろから追いかけてくる、あの四角い「鳥」の群れが見えた。僕は足をばたばたさせて言った。
「ゼペット、ゼペット! 追いつかれるよ」
「ピノキオ! よかった、壊れてないのね」
太陽を銀色に反射しながら、「鳥」たちが、一斉に、一本足の爪をカッと開くのが見えた。やばい、またバリバリとやられたら、今度はゼペットが火花を浴びてしまう。
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