太鼓みたいにまるいお腹と、樹の幹みたいに太い腕と、白いふさふさのひげ。鼻までかくれるメガネみたいなのをかけていて、こっちからその奥の目は見えない。でも、メガネの奥の目で、僕とゼペット、そしてヘンテコ鳥たち、3つの方向を、油断せずに目配りしているのがわかる。振り返って見ると、ヘンテコ鳥たちは、互いに火花を浴びせあいながら、空中をふらふらと漂っていた。
「奇跡じゃわい。ぶっ叩いてやった奴が、たまたま群れのリーダーロボじゃったようじゃな」
「親方!」
と、ゼペットが言った。
「さあ、早く乗れ! あいつらが目をまわしてるうちに」
親方と呼ばれたそのおじさんは、後ろに停めた自動車に飛び乗った。
「急げ! じきに目を覚ましおるぞ! 棒でぶん殴ったぐらいじゃな」
「ピノキオ、おいで」
ゼペットは、僕の手を引いて、おじさんの後ろに乗りこんだ。天井がなくて、オンボロな自動車だったけれど、僕は自動車に乗せてもらえるなんて初めてだったから、すごくワクワクした! 長い眠りにつく前は、自動車なんて、遠くから眺めたことがあるだけだ。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL