「その時じゃ。なんと、このピノキオの奴が走ってきてな、ワシの前に立ちはだかり、あのプリンス社のロボット鳥どもに戦いを挑みおったんじゃ」
と、アントニオーニ親方が、僕の肩をつかんで揺さぶりながら、がらがら声で言った。僕は揺さぶられてぶるんぶるん震えた。アントニオーニ親方のお腹もぶるんぶるんと震えてた。まるで太鼓みたいだなーと、親方のお腹を見て思ったけど、僕は黙っていた。良い子は、人のお腹を太鼓みたいだなんて言わないもんさ。
「立ちはだかったって、こんな小さな体で、あんたの太鼓腹の前にかい?」
と、ひとりのおばさんが言うと、皆が笑った。なんだ、皆、僕と同じように、親方のお腹を太鼓みたいだって思ってたのか。
ゼペットの店に村人が集まっていた。 皆、ゼペットが何日か留守にしていたから、心配していたんだってさ。
「そうとも!  いやあ、驚いたのなんの。 このピノキオ坊主め、眠り電気を浴びても、眠るどころかぴんぴんして、ちっともひるまん!」
「ほお……」
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL