またうっかり、僕の鼻は伸びてつっかえてしまった。ゼペットは、どんどんヤスリで削った。やれやれ。僕はちょっとしょんぼりした。
「あのね」
と、僕は言った。
「電気はやせ我慢したし、ヘンテコ鳥をやっつけられたのも、偶然さ。だけど」
だけど、ゼペットを喜ばせようと思って、一生懸命、ヘンテコ鳥と戦ったことだけは、
本当なんだ――。そう言おうと思った。
「だけど」
だけど、僕は口ごもってしまった。どんな風に言ったらいいのか、急にわかんなくなっちゃったんだ。ひょっとしたら、嘘をつくのは簡単なのに、本当のことを言うのって、あんまり簡単じゃないのかな。これじゃあ僕の鼻も伸びるわけだよ。
「ふむ……そうか、木でできておるからじゃな」
とアントニオーニ親方が頷きながら言った。アントニオーニ親方のガラガラ声は、落ち着いて喋ると、すごく低くて、柔らかい感じに聞こえた。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL