「プリンス社のロボットの眠り電気は、人間とか機械にはよく効く。しかし、ピノキオは、木でできとるからな。あまり電気が通らないのかもしれん。500年も眠らせて、いい具合に乾燥しておるし」
ゼペットは、僕の鼻にニスを塗り終わった。
「ピノキオ。ありがとう。親方と私を助けてくれて。本当に」
ゼペットは、ニスをふーふー乾かしながら、そう言った。ゼペットの震えるみたいな声でありがとうと言われると、アントニオーニ親方に褒められるよりも何倍も嬉しい気分になった。でも僕は頑張って平気な顔をした。
「さ、約束通り、服を着せてあげようか」
「服?」
「どんな服がいいかな」
「僕も皆みたいな、ゴムの服がいいな」
「ゴムの服……そうか、そうだよね」
ゼペットは、少し沈んだ風に言った。 ゴムの服があれば、 今度あのヘンテコ鳥が来た時に、 頭が真っ白にならずに済むと思ったんだけど、なんか悪いこと言ったかな?
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL