「ご、ごめんよゼペット。ゴムの服を嫌がったりして。やっぱり僕、ゴムの服でいいよ。着心地は諦める」
「……か……かわいい」
と、ゼペットが、震える声でつぶやいた。
「え? 何が」
「ううん、何でもないの。 その服がよければ、あげる。まったく、仕方ないわね。 ゴムの服が嫌いだなんて」
「ごめんなさい」
「謝るこたあないさ」
と親方がガラガラ声で優しく言った。
「ゼペットは、喜んどるんじゃ。な、ゼペット」
ゼペットは答えなかった。喜んでるって、なぜだろう。せっかくの自慢のコートを、僕が嫌がったのに。僕は不思議に思った。
その時、店の玄関の方で、荒々しくドアを開ける音がした。
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