「ふふふ。クリケット・ジョーよ。ピノキオの質問は、案外、下らなくないかもしれんぞい、あ痛ててて」
今度はフォックス中尉じゃなくて、クリケット・ジョーが自分で親方を蹴り飛ばした。クリケット・ジョーは、ぐい、と僕に近づいて、もう一度燃える瞳でにらみつけた。
「ごちゃごちゃ言わず、お前は、このロボットオヤジの機能停止ボタンを押せばいいんだ」
なんで、クリケット・ジョーは、僕にそんなことを命令するんだろう?  僕はもう一度、親方の鼻を良く見てみた。赤い。やっぱり、これは鼻じゃなくてボタンだな。それに、さっき親方は自分で言っていたぞ。親方も目玉から眠り電気とやらを出すことができるって。ということは、親方は本当に、あのヘンテコ鳥の仲間なんだ! あんな風にいつかはゼペットをいじめる悪い奴になっちゃうんだ! 本当にそうなら、僕が良い子になるためには、クリケット・ジョーの言う通り、赤いボタンを押して親方を動かなくしなくっちゃ。ああ、なんてこった。せっかくさっきは、親方をヘンテコ鳥たちから助けたのに。僕はわざわざ、悪い子のすることをやったのか。
僕は悲しくなってしまった。早く、自分のやった悪いことを挽回しなくては。僕は、指を一本突き出して、親方の鼻に近づけた。親方の鼻に指を当てた。
「うーむ」

 
 
  
 
 
 
 
 
 
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