と言って、親方が、目を閉じた。
「ワシの鼻を押すか、ピノキオ。まあ、もともと死に場所を探しておったんじゃ。仕方ない。恨まんよ、ワシは」
「アントニオーニ親方。僕は良い子になるために、鼻を押さなくちゃいけないんだ。でも、どうしよう。もしも鼻を押してしまったら、なんだか、今よりずっと悲しい気分になりそうな気がするなあ」
本当に、そんな気がしたんだ。でも、押さなくちゃ。押さなくちゃ。押すぞ。今押すぞ!
「ピノキオ、やめて」
とゼペットが言った。だから、ゼペットは素敵なんだ。僕は、ゼペットの言うことなら、なんでも素直に聞いてしまうからね。だから、自分で考えなくても、親方の鼻を押すのをやめることができたんだ。良かった、押さなくてすんだ。僕がほっとして指を下ろすと、フォックス中尉とキャット少尉がそろって、
「ほっ」
とため息をつき、クリケット・ジョーににらまれて、
「ごほん」
とそろって咳払いをした。僕は、怒られる覚悟を決めた。
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