「ごめん、やっぱり押すのはやめるよ、クリクリ・ジョー」
「誰がクリクリ・ジョーだ!」
とクリケット・ジョーが怒鳴った。
「オレはクリケット・ジョーだ」
「僕は長い眠りから覚めて少ししかたってないんだもの。難しい名前を言おうとすると、舌がこんがらがるんだよ」
「お前、さっきはちゃんとクリケット・ジョーって言ってただろう! まあいい。とにかく、これで決まりだな。ボタンを押さないなら、お前は、俺たち人間の敵だ、ピノキオ」
「聞いて、クリケット・ジョー。ピノキオは、本当に敵じゃないの、味方なの」
「本気で言うのか、ゼペット」
震える声で僕をかばうゼペットを、クリケット・ジョーは燃える目でにらみつけた。
「150年前、どうやってプリンス社のロボットたちが反乱を起こしたのかを考えろ。最初は、ささいなことだった。ただほんの少し、一日に一回か二回、ロボットたちが人間の言うことを聞かなくなった。それを、人間たちは、大したことではないと、放置していたんだ。のんびり構えて、いつか修理すればいいと思ってるうちに、プリンス社のロボットたちは、独自のネットワークを作り始めた。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
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