やがて、プリンス社のロボットたちは、いっせいにタイミングを合わせて動き、人間の言うことを聞くロボットを滅ぼした。人間は、そこでようやく本気で異変に気づいた。だが、もう遅かった。すでに人間の味方をするロボットはいない。プリンス社のロボットたちは、人間の手を借りずに、勝手にロボットを製造し始めた。社員たちがそれを食い止めようとしたが、止めても止めても、ロボットたちは自分勝手に仲間を製造した。何ヶ月もいたちごっこが続いた。だがとうとう、いたちごっこが終わる日がきた。ロボットの電子頭脳には、人間を攻撃してはならないという、“超原則”が必ず埋め込まれている。その超原則を守りながら、人間を滅ぼす方法を、思いついたロボットが出現したんだ。その方法とは、眠り電気によって、人間を眠らせることだ。安らかに、死ぬまでな。プリンス社のロボットたちは、まず、プリンス社の社員たちを眠らせた。続いて、街中の人間たちを眠らせた。社会の要になる人間を眠らされて、都市は麻痺した。地方の町の人間もたくさん眠らされた。とうとう人間の世界はむちゃくちゃになった。プリンス社のロボットたちは数を増やして世界中に散らばった。そして、人間だけでなく、動物や植物までを眠らせ始めた。それから、俺たちの地球が、鉄くずだらけの星になるまで、ほんの数十年しかかからなかった」
クリケット・ジョーがしゃべるのを、僕は口をあんぐり開けて聞くしかなかった。びっくり仰天だよ。僕が眠っている間に、そんなことがあったなんて。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL