「親方!」
「ゼペット、すまん、鼻を押さえるのを手伝ってくれ。この、押されて引っ込んだ鼻が戻ると、機能停止のスイッチが入ってしまうんじゃ」
良かった、親方はまだ死んでない。あれ? 死ぬ前に、親方は生きていないんだっけ? とにかく助かった。いや、助かってない。だって、クリケット・ジョーは、今度は僕に狙いを定めているみたいなんだもの。
「これで、ゼペットもアントニオーニも動けない。ピノキオ、お前と俺との一騎討ちだ」
クリケット・ジョーの両脇に、フォックス中尉とキャット少尉が並んだ。
「お前は、どこにも機能停止ボタンを持っていない。どんなプリンス社のロボットよりも、危険なロボットだからな。念には念を入れなくちゃな」
「僕って危険なロボットなの」
「俺の必殺技を教えてやろう、ピノキオ」
「必殺技って何」
「必殺技ってのは」
と、面倒くさそうに、でも丁寧にクリケット・ジョーは答えた。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL