「フォックス中尉なら比類ない足の速さ。キャット少尉なら人並み外れた目の良さ。つまり誰にも負けない、凄い技ってことだ。そして、いいか、俺の必殺技は……ん?」
クリケット・ジョーは、そこでしゃべるのをやめた。参ったな、僕はその必殺技がなんなのか、すごく興味がわいてたんだ。だって、カッコよさそうなんだもの。でも、そんなことに興味を持ってる場合じゃないよね。アントニオーニ親方は「機能停止」の大ピンチだし、僕なんて、その必殺技とやらで壊されそうになってる大・大・大ピンチなんだもの。ああ、クリケット・ジョーの言葉の先を聞きたい、でも聞いてる場合じゃない。なんてことを僕が困っているうちに、クリケット・ジョーは天井を見上げた。
「フォックス! キャット! 耳を澄ませろ」

その瞬間、ズシン! と地面が揺れて、僕らのいるゼペットの工房は真っ暗になってしまった。暗闇になると同時に、ものすごく重たいものが上から落ちてきて、僕は身動きが取れなくなってしまった。地面が揺れる一瞬前に、遠くで、バリバリという火花の音が聞こえたような気がしたけれど、それがなんなのか、考えることは出来なかった。だって、僕はまた、気を失ってしまったんだ。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
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