村は、大変なことになっていた。
「眠り電気をところかまわず撒き散らしながら、ヤツは、村中を踏み潰しました」
と、僕らを助けてくれた大きな男の人が、アントニオーニ親方の鼻に絆創膏を貼りながら言った。親方と同じくらいに大きな体をしている。この人の名前は、アリドーロといって、クリケット・ジョーたち自警団の一員なんだってさ。凄いんだよ。アントニオーニ親方も凄い力持ちだけど、この人はもっと凄い力持ちなんだ。たったひとりで、ぺしゃんこになったゼペットの工房をどけて、あっという間に僕らを助け出してくれたんだ。
助けられた僕たちは、驚くことに、フォックス中尉を除いてほとんど怪我をしていなかった。天井が落ちるほんの一瞬の間に、フォックス中尉が僕らを少しでも安全な位置に突き飛ばしてくれたんだってさ。その位置は、キャット少尉が真っ暗になる直前にフォックス中尉に目配せで合図した。凄い目だなあ。それに、ふたりは本当に心が通じ合ってるってことだよね。おかげで僕らは助かったけれど、フォックス中尉は自分の場所に戻り遅れて、左足を怪我してしまった。でも、彼が言うには、片足だけでも普通の人の6倍は速く走れるんだって。
「今までに見たこともないほどでかい奴です。そう、東の沼にある、戦車岩くらいありました」
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