あっという間に、夜になった。
僕らは、ぺちゃんこになったゼペットの店の跡で、焚き火をすることになった。
焚き火といっても、今は500年前と違って、薪を燃やすわけじゃないんだよ。
あちこちにある黒い水たまりの泥を、石なんかに塗って火をつけると、その泥がずっと燃えて、焚き火になる。この泥は、昔の道路が溶けたものなんだってさ。
道路が溶けたら燃える泥になるなんて、初めて聞いたな。
一体、何でできた道だったんだろう?
僕が眠る前とは、何もかも違う世界になっちゃったんだなあ。
焚き火なんかしてたら、ゼペットの店や村中の家をぺちゃんこにした大きなロボットが戻ってくるんじゃないかと思って、僕は心配した。
でも、クリケット・ジョーや親方が言うには、これだけ沢山の人を眠らせたあとだから、少なくとも今夜は、新しいロボットは来ないんだってさ。
プリンス社のロボットたちは、世界中に残った人々を眠らせるために、あちこち飛びまわってて忙しいらしい。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL