燃える瞳から、涙がぽたぽたと落ちていた。その涙が、月明かりに光っていた。
「うおおおおおおおおおおおおお」
と、突然、クリケット・ジョーが叫んだ。空の果てまで届くような声だった。でも、眠った村人たちは、誰も起きなかった。寝返りを打つ人すら、いなかった。
僕はその大声にびっくりして尻もちをついたけれど、クリケット・ジョーはまだ僕に気づかなかった。クリケット・ジョーは、頭を振って涙を吹き飛ばし、
「うおおおおおお、荷物を落としちまったぜ! どっこいしょ、拾ったぜ! わはははは!」
と、誰に聞かせてるんだか、明るい大きな声で言って、歩き去った。最後まで僕に気づいた様子はなかった。
ヘンテコな独り言を言うもんだ。
クリケット・ジョーって、意地悪なことばっかり言う人だと思っていたけど、ひょっとしたら結構、寂しがり屋なのかもしれないな。
そんなことを考えながら、広場の地面に尻もちをついた姿勢のままでしばらくいると、今度は、 アリドーロがやってきた。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
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