ゼペットもアントニオーニ親方も、姿が見えなかった。
きっと、ふたりも、どこかで荷造りの準備をしてるんだ、と僕は思った。
やっぱり、クリケット・ジョーたちと一緒に行くことにしたんだな。
そうとなったら、僕も張り切って荷造りだ。
ええと……ちぇ。僕には用意する荷物なんて、ないや。
「この、ど阿呆! なんで、旅に出かけるのに、目一杯ガラクタを積みこんでるんだ! 捨てちまえ」
と、クリケット・ジョーがフォックス中尉を怒鳴りつけた。
「すみません! どれもこれも、オレの思い出の品ばかりで! あれも捨てられない、これも捨てられないと思っているうちに、つい全部」
変なオモチャやら、電気スタンドやら、人形やら置物やらを、クリケット・ジョーが次々に投げ捨てた。フォックス中尉が恐るべき俊足で走って拾い、泣くのをこらえながら、地面に埋め始めた。
「ちょっと待て! これはなんだ? 誰だ! 漫画なんか積みこんだのは!」







