「ねえ、クリケット・ジョー! ゼペットのスケッチブックだけは、荷物にいれてあげてね」
「何? スケッチブックだと?」
「ゼペットの宝物なんだ」
「うーん」
「隊長、それなら俺のガラクタも!」
「俺の漫画本も!」
「オレが食べるためのご飯も、もう少したくさん積ませてください」
その時、後ろから、「おおい」という声が聞こえて、僕は振り返った。
ぺちゃんこになったゼペットの店の向こう側の、村の入り口のもっともっと向こうの、遠くの方で、土煙が舞い上がっていた。舞い上がった土煙の中を、豆粒みたいな何かが、だんだん、 こっちへ向かってきていた。







