「世界にたった1本残された、天然のカシの木の材木じゃよ」
「この1本だけは、ご先祖のゼペット爺さんが、あなたのために油紙で包んでおいてくれたのよ、ピノキオ」
「えっ。それじゃあ」
つまりふたりは、朝早くから自動車に乗って、僕が眠っていた工房まで、この材木を取りに行ったってこと?
「工具も持ってきたし、これで安心よ、ピノキオ」
僕は、嬉しかった。
僕にも、荷物があったんだ。
それに、500年前の村人たちの中でも、お爺さんだけは、僕のことをずっと思っていてくれたんだな。
「ありがとう」
ゼペットとアントニオーニ親方に、僕はお礼を言った。
「よし、それじゃあ、最後のひと仕事にかかるかな」







