ゼペットは、相変わらず、うかない顔をして、黙ってスケッチブックを抱きしめ、座席に揺られていた。
「ねえ、ゼペット」
僕はすっかり慣れて心地よくなってしまった自動車の揺れに体を任せながら、ゼペットに話しかけた。
「ねえ、僕たち、もう新しい村を探さない方がいいんじゃないかな」
「どうして?」
「だって、いくら新しい村へ行っても、いつも絶対、村人たちは全滅してベッドだらけになっていて、皆とても悲しそうなんだもの。次に行く村もまたベッドだらけになっていたら、皆、 本当にがっかりすると思うんだ」
皆、と僕は言ったけど、本当はゼペットのことを言いたかったんだ。でも嘘を言ったわけじゃないからね。鼻は伸びなかった。
ゼペットは静かに頷いた。
「そうね。でも、新しい村を探さないとしたら、これから私たち、どうするの」
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