「僕たち、もう、ずっとこうやって、皆で旅を続けたらいいと思うよ。だって、旅をしてるだけだったら、とっても楽しいんだもの。僕は、皆と一緒に、ずっと旅を続けたいなあ」
「同じよ」
と、ゼペットが声を震わせた。自動車で揺れてるんじゃない。ゼペットの声は、いつでも震えてるんだ。
「同じって?」
「旅を続けようと、旅をやめようと、どうせ私は、楽しくなんかならないわ」
「じゃあ、どうすれば楽しくなるの?」
「どうしたって、無理よ。楽しいなんて、あきらめるしかないの」
「ええっ。楽しくなるのをあきらめるの!」
僕はびっくりして聞きかえした。ゼペットは、スケッチブックを抱きしめた。
「私が、普通の服を作る応援をしてくれたのは、アントニオーニ親方だけ。でも、もうアントニオーニ親方と一緒にはいられない。きっと、新しい村へ行っても、これからずっと私は、ゴムのコートしか作ることはできないの」
![]() |
![]() |







