どういうことだろう。たくさんのヘンテコなロボットたちが目の前に迫っているのに、不思議なことに、全然、怖がったり逃げ出そうとしていたりする様子はなかった。
ロボットたちは、ひょろ長いお兄さんに向かって走りながら、一斉に、それぞれいろんな形をしたカギ爪を広げた。カギ爪の間に、火花が散り始めた。
「報告します。攻撃用ロボットたちが、丘の上の生存者を射程に入れるまで、あと10秒」
「隊長、早く作戦の指示を。オレはもう発進できます!」
そう言うフォックス中尉を、クリケット・ジョーは制止した。
「少しだけ待て、フォックス中尉。あいつ、ただものじゃないぞ」
その時目の前で起こったことは、ちょっと信じ難い光景だった。
ひょろ長いお兄さんが、まるで背伸びをするみたいに緩やかに体をしならせたかと思うと、長い右腕を大きく背中から肩越しに回転させたんだ。
まるで、野球のピッチングみたいな動きだよ。
その瞬間、空中を飛んでいたヘンテコ鳥が1匹、ゼンマイが切れたみたいに止まって、地面にころりと落ちた。
一体何が起きたのか、僕にはわからなかった。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL