フィラメントは、僕らに背を向けた。背中を向けたまま、
「今夜一晩を、あの村で明かすことは許してやる。オレは、オレの頭の中の情報を守るために、誰にも知られないところで、眠る」
そう言って、砂漠の中に去って行った。
風はますます強くなって、砂がたくさん舞い上がっていたので、うっかりするとフィラメントの姿は、 すぐに見えなくなってしまいそうだった。
「おい、ちょっと待てよ!」
クリケット・ジョーが言い、皆がフィラメントを追おうとした。
その瞬間、僕は、決意していたんだ。
僕は、このチームから、去ろうって。
チャンスは、砂が舞い上がっている今しかない。
みんなが、フィラメントに気を取られている隙に、僕は、反対側へ走ろう。
「さよなら」
僕は心の中で言って、そっと皆の側を離れた。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL