「起きたわね」
という女の子のはきはきした声が聞こえた。まだ夢の続きなんだろうか?
「誰? 僕はもう夢からさめたんだから、夢の中から話しかけるのやめてよ」
「あんた、何言ってんの? 夢の中から話しかけられるわけ、ないじゃない」
僕の頭の後ろで物音がして、誰かが歩いた。
その歩く音は、僕の頭をまわりこんで、顔の正面の方へやってきた。
動けない僕の目の前に、女の子の足が見えた。足しか見えない。でも、確かに、そこに、女の子がいる。
「えっ。夢じゃないの? じゃあ、さっきまで僕が夢の中で話をしていたのは?」
「びっくりするじゃない。壊れた人形が転がってると思ったら、いきなり寝言を言い出すんだもの。あんた、ロボット?」
「うーん? みんなはロボットって言うけれど、昔は人形だって言われてた。でも、僕を作ったおじいさんは、僕のことを、おじいさんの子供だって言ってたよ」
「子供? 人間の子供ってこと?」
僕は、突然、ふわりと宙に浮いた。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL