「ピノキオだよ。ねえ、僕の体は」
「そう、あたしはビーナス」
ビーナスと名乗った青い髪の女の子は、僕を再び地面に置いた。僕にはまた、ビーナスの足しか見えなくなった。
「ピノキオ。あたしはね、あたしの友達になれる子を探してるの」
「僕の体はどうなってるの」
「あんたは、とても良い子のようね、ピノキオ。だけど、良い子なだけでは、あたしの友達には足りないわ」
「待って、ビーナス」
ビーナスの足が、僕の前から消えた。僕の後ろにまわったんだ。
「幸運な人じゃないと、あたしは友達にしないの。この世界ではね、幸運が実力なんだから」
「ビーナス、待って」
ビーナスの声が、遠ざかり始めていた。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL