口に、何か冷たいものが触って、僕はまたうっすらと目が覚めた。
水が、口につたっていた。アリドーロが、小さな銀色のコップで僕に水を飲ませてくれようとしていた。
「ごほっ、ごほっ」
「あっ。目覚めたかい。ごめんよ、水がのどに詰まったかな」
僕は何も言わずに、また眠った。
それから多分また何時間かたって、今度は甘い匂いに鼻をくすぐられて、僕は目が覚めた。
「くん、くん」
「あっ。どうだい、お腹が減ってるだろう。チョコレートを溶かしたよ。なめると元気が出ると思うんだけど」
僕は、アリドーロがスプーンですくってくれたチョコレートを、ちょっとずつなめた。甘さが頭のてっぺんまで染み渡るようだった。こんなに甘いものがあったなんて、びっくりだ。チョコレートは、アリドーロが大切にしてて、なかなかみんなにわけてくれなかったお菓子のひとつだ。そりゃ大事にするはずだよ、すごく美味しいんだもの。僕は何度もチョコレートをなめて、お腹がいっぱいになって、また眠った。
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