「そんな恐ろしい海を、皆、本気で渡るつもりなんだ。ゼペットも、コート職人が必要だからって、一緒に行くつもりだ。オレは、オレは、恐ろしくて仕方がなくて。ボートを皆で作っている間に、オレは、水を汲みに行くふりをして、こっそり逃げ出してしまったんだ。逃げ出して、湿地帯に迷いこんで……ピノキオ、お前を見つけたのは、そのあと、すぐだったんだ」
「すぐ?」
「そうさ、ピノキオ。ごめんよ。お前は、最初から、海の近くにいたんだよ」
「えーっ!」
僕はびっくりして、目がくらんだ。
そんなのって、ないよ。僕は、僕はひとりぼっちでいると思いながら、ずっと、ゼペットの近くにいたんだ! なのに今、アリドーロの肩に乗ったせいで、また全然はなれた場所に来てしまってる。
思い出した。
青い髪の女の子、ビーナス。彼女が僕に言っていた。僕は、まあまあ幸運だって。それはこういうことだったのか?
「アリドーロ! 今夜は三日月だよ、今から行こう、海岸へ! 運が良いよ、まだ皆、海を渡っていないかもしれない。そんな恐ろしい島へ行く前に、皆を止めよう」
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