「駄目だよ、もう遅い、ピノキオ。ここから湿地帯を抜けるには、僕の足ではたとえまっすぐずっと走っても、3日かかる。その時には、もう、月の形は変わってる。皆は海へ出て、毒の黒潮に沈んでるか、それとも恐ろしいロボットに眠らされてしまってるよ」
「馬鹿馬鹿、アリドーロの馬鹿! なんで皆を置いて、自分だけ逃げ出したんだよう!」
僕は、頭だけで、なんとか転がって進もうとした。
もちろん、少しも進まない。
鼻をひくつかせて、口をひん曲げて、目をしかめて、必死で動こうとしたら、やっと、ほんの何センチか、頭が転がった。だけど、それだけのことだった。
ああ、ゼペット! ゼペットが、恐ろしい海へ、航海に出ようとしてる。この湿地帯の向こう、三日月の下の海岸で。
なのに僕は、ずっとはなれた場所で、頭だけになって、ころころ転がってるだけなんだ。
僕は悔しくて、アリドーロと同じように涙をこぼしそうになった。
そのときだった。
![]() |
![]() |







