「運が良ければ、僕は、ブルチネルラの胴体に乗って、クリケット・ジョーたちのボートに追いつけるかもしれない。……来た、アリドーロ! 僕を投げて!」
アリドーロは、何がなんだかわからない様子だったけれど、僕の勢いに負けて、僕の頭を手に持った。
物凄い振動をたてて、僕らの足元の地下を、ゴゴゴゴ、という音が通り過ぎた。ブルチネルラの脚の部分のロボットが通過したんだ。
そして、夜の地平線のもやの向こうから、ガロロロという音の正体がやってきた。ブルチネルラの胴体の部分のロボットだ! 驚くほどのスピードで、ぐんぐん近づいてくる。このまま、僕らに気づかず通り過ぎる勢いだ。
「今だ!」
通り過ぎる瞬間、僕の合図で、アリドーロは僕を投げつけた。
「僕の運は、悪い」
僕は、そう言った。鼻が伸びた。伸びた鼻が、ブルチネルラの胴体のロボットのお尻に、突き刺さった。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL