ガロロロ、とうなりを上げ、ブルチネルラの胴体は、大変なスピードで夜の湿地帯を駆けた。
胴体だけのブルチネルラは、タイヤを出して車みたいな走り方をする。よっぽど一生懸命走ってるんだろう、お尻に突き立っている僕には全然気がつかないようだ。
湿地帯の地面はデコボコだから、凄い振動で、僕はがくんがくんと揺さぶられた。
僕がいくら頭だけになって身が軽いといっても、こんなに激しく揺さぶられ続けたら、いつ鼻がぽっきり折れてしまうかわからないよ。
折れてしまうわけにはいかない。
これが、ゼペットたちの乗ったボートに追いつける最後のチャンスなんだ。
折れてたまるか。
絶対に折れないぞ。
折れるな、僕の鼻!
鼻に力を入れるって、どうやったらいいのかよくわかんない。でも僕は、一生懸命力を入れて頑張った。
頭だけの僕の目の前を、三日月に照らされた地面が、びゅんびゅん流れていった。
目がまわった。
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