皆の、最後の一着だったゴムのコートが焦げて、燃えカスになってしまっていた。
竜巻みたいな黒い風がボートの上を通り過ぎた。速過ぎてなんだかわからない空飛ぶロボットが、眠り電気で攻撃してきたんだ! しかも、今までのロボットとは威力が全然違う、強力な電気だ。3発の電気に耐えられるようにできているコートなのに、たった一発で燃えカスになってしまうなんて。
目に見えない黒い竜巻が、夜明けの空に大きく孤を描いて、またボートの方に向かってきた。
「フォックス中尉! 全速力で漕げ! 岩の割れ目に突入しろ!」
クリケット・ジョーがそう叫んだ。ところが、その命令を聞くはずのフォックス中尉の姿が、どこにもない。漕ぎ主のいなくなったペダルが、カラカラと音を立ててから回りしていた。
どこに行ったのだろう? と思う間もなく、上空でまたドカンと音がして眠り電気の火花が散った。今度の眠り電気はボートに届かず、上空で渦を巻いた。
そして、大きな、頭にトサカのついたコウモリみたいな黒いロボットが、上空から海に落下してきた。なんと、胸のところに、フォックス中尉がしがみついていて、大きな機能停止ボタンを、踏みつけるようにして押し込んでいた。
フォックス中尉は、そのロボットを蹴ってジャンプし、ボートに飛び移って戻ってきた。
トサカのついたコウモリみたいな大きなロボットが、海に沈んでいった。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
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