フォックス中尉の体に、眠り電気の火花の残りが、パリパリ、パチパチと、まるで光るシャクトリ虫みたいに走って、消えた。
いなくなったと思ったフォックス中尉は、空に飛び上がって戦って、そして、眠り電気を浴びて戻ってきたんだ。
だけど、眠っていない。
フィラメントが、慌ててベルトを見た。薬の箱の入った袋の口が、3つとも開いていた。
カラン、と音をさせて、フォックス中尉が、金属の小箱をひとつ甲板に捨てた。フタがはずれて、空になっていた。
「ど、泥棒!」
とフィラメントが言った。
「ひどい味だ」
そう言って、フォックス中尉は、空ではない金属の小箱を2つ投げた。クリケット・ジョーとキャット少尉が、それを1個ずつ、受け取った。
「俺が、やれるだけ、頑張ってみます。いざと言う時まで、飲まないでください」
クリケット・ジョーとキャット少尉は、その箱をポケットにしまった。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL