フィラメントが、キャット少尉の言った場所をめがけて、ピッチングを始めた。見事なコントロールと破壊力で、フィラメントの投げた岩が次々に岩盤を砕いた。
大きな岩が落ちてきて、龍の首を2、3本、まとめて下敷きにした。
さらにいくつもの岩盤が崩れ落ち、入り口が完璧にふさがった。
フォックス中尉は、落下する岩盤を機敏によけて跳び、僕らがいるところまで戻ってきた。体中のあちこちで、眠り電気の残りが、パリパリ、パチパチとはじけた。
まだ動くのをやめていない龍の首の眼の明りで、洞穴が薄暗く照らされている。

「いくぞ! フィラメント、道案内を頼む」
クリケット・ジョーが言い、皆、並んで走り始めた。
「まずは、水路に沿って、いけるところまで進む」
フィラメントがそう言って、皆の先頭に立って走った。
クリケット・ジョーが、僕とスケッチブックを抱えて走っている。
走ることにかけては無敵のはずのフォックス中尉が、クリケット・ジョーに並んで、息を切らして苦しそうにしていた。あんなに眠り電気を浴びて、平気なわけがないんだ。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL