「確かに、まずいですね」
「だろう?」
「へっ。せっかくの俺の弁当を、横取りしたあげくにまずがりやがって」
クリケット・ジョーと、キャット少尉と、フォックス中尉と、のっぽのフィラメントが、走りながらクスクスと笑った。
やがて、4人とも、大きな声で笑った。
「おい、クリケット・ジョー。お前は馬鹿だな。そんな役立たずの木の人形を、いつまでも抱えて走ってるなんて」
「まったくな」
「よこせ。ここからは、俺が連れて行ってやる。お前らの、友達なんだろう」
クリケット・ジョーが、フィラメントに、僕とスケッチブックを手渡した。
「クリケット・ジョー、死なないで。僕なんて、ここに置いてっていいから」
僕は言った。
「死ぬとか言うな、どあほう。そこんところは、忘れとけ」
と、クリケット・ジョーは言った。

 
 
  
 
 
 
 
 
 
(C) 2007 西田シャトナー・灯夢/BANDAI VISUAL