フィラメントが言った。
「え? うん。会いたい」
「好きなのか」
「好きだよ」
「そういう意味じゃなくてだな」
「どういう意味なの」
「うるせえ」
フィラメントは、怒ったように言った。僕は、ゼペットの顔を思い浮かべた。不意に、ゼペットが、物凄く近くにいるような気がした。今にも、僕の名を呼ぶゼペットの震えるような声が聞こえるような気がした。
「ビーナスと、ゼペットは今、一緒にいるんだよね」
と、僕は言った。
「ビーナスは幸運の女神様だからさ。だからきっと、ゼペットは、一緒に生きてると思うんだ」
「そうだな。そうに違いないぜ。ゼペットも、ビーナスも、生きてるよな」
フィラメントは、そう言うと、大きく息を吸い込んで、立ち上がった。
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